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「活力感」は表情・視線・姿勢・動作から客観的に捉えられるか 香り・音楽刺激と表情動画解析・床反力解析による活力感変化の探索的検証

香りや音楽は、人の気分や活力感に影響を与えることが知られています。
本研究では、香り・音楽刺激によって変化する活力感を、表情・視線・姿勢・床反力など複数の生体情報から客観的に評価できるかを検証しました。

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プロジェクト概要 Project Overview

健常成人を対象に、Neutral・Active・Calmの3条件で香り・音楽刺激を提示しました。
主観評価(VAS)に加え、表情動画、視線、床反力、腰部IMUを同期計測し、活力感の変化と各客観指標との関係を解析しました。

背景・課題 Background

活力感は、人のコンディションやウェルビーイングを考える上で重要な状態指標です。
しかし現在、その評価はアンケートなどの主観評価に依存することが多く、客観的に状態を捉える方法は十分に確立されていません。
また、日常に近い環境で簡便に利用できる、非侵襲的な評価手法への期待も高まっています。
そこで本研究では、「活力感を非侵襲的に推定できる指標は存在するのか」という問いに取り組みました。

アプローチ approach

【試験概要】
健康な成人男女10名を対象に、香り・音楽刺激による活力感変化を評価しました。
刺激条件は以下の3条件です。
※条件順は被験者ごとにランダム化

Neutral

無香料・無音

Active

柑橘系香り+アップテンポ音楽

Calm

ラベンダー系香り+穏やかな音楽

【試験フロー】

① 主観評価(VAS)
② 刺激前計測(表情動画/フォースプレート)
③ 香り・音楽刺激(表情動画)
④ 刺激後計測(表情動画/フォースプレート)
⑤ 主観評価(VAS)

【計測環境の統制】

活力感変化を適切に比較するため、専用計測ブース内で試験を実施。
香り残留や撮影条件のばらつきによる影響を抑え、条件間比較が可能な環境を構築しました。

・香り刺激用ディフューザーを使用
・表情撮影用カメラを正面配置
・照明条件を固定
・フォースプレート上で60秒間の開眼/閉眼立位計測を実施
・条件間には換気および15分以上のウォッシュアウト時間を設定

【取得データ】

■主観評価

活力感
覚醒感
気分
リラックス感

■表情動画解析

顔の動き
視線移動
視線集中
まばたき
目の開き

■床反力解析

COP指標
SDA
スクワット荷重変化率
動作時間
動作テンポ

など

    【解析】

    活力感変化量(ΔVitality)を基準とし、
    ・活力感と表情特徴量の関係
    ・活力感と床反力特徴量の関係
    を探索的に評価しました。

    得られた知見・成果 Results

    ・Active条件では主観的な活力感・覚醒感が有意に向上した。
    ・スクワットでは動作時間の短縮と荷重変化率の増加が確認され、活力の高まりが身体動作にも表れた。
    ・表情・視線解析では、刺激中は顔の動きや視線移動が増加し、刺激後は視線集中やまばたき減少など覚醒状態を示す特徴が確認された。
    ・Calm条件では重心動揺拡散解析(SDA)により姿勢制御の安定化が確認された。
    ・主観的活力感と、まばたき・視線・顔の動き・姿勢制御との対応が確認され、活力感を客観的に推定できる可能性が示された。

    位置付け・展望 Position & Outlook

    本研究は、活力感という心理状態を、表情・視線・姿勢・動作など複数の客観指標から評価できる可能性を示しました。
    今後は食品・飲料・香り・音楽などの効果検証をはじめ、健康状態やコンディション評価、ウェルビーイング評価、AIによる状態推定技術などへの応用が期待されます。

    「活力感」は、数字だけでは語りきれないものです。
    オルチェは、人の状態にあらわれる小さな変化を、身体の反応からそっと捉えることをめざしています。