ポーラ化成工業株式会社と国立長寿医療研究センターによる共同研究において、株式会社オルチェ人間情報技研が研究協力を行った成果が、第68回日本老年医学会学術集会にて発表されました。
本研究は、表情から高齢者の健康状態を把握できる可能性に着目し、約2,300名の高齢者データを用いて、表情とフレイルとの関連を検証したものです。
研究概要
本研究では、国立長寿医療研究センターの地域高齢者コホートに参加した約2,300名の高齢者を対象に、表情データと身体機能・認知機能・心理状態などのフレイル指標との関連を解析しました。
その結果、身体的フレイルの高齢者では笑顔の表出強度が小さいこと、認知機能が低下した高齢者では笑顔に伴う口周辺の表出強度が小さいこと、うつ傾向の高齢者では微笑み強度が小さいことなどが確認されました。
本研究は、表情が身体状態・認知機能・心理状態など、多面的な健康状態を反映する可能性を示す結果となりました。
オルチェの研究協力
オルチェではこれまで、120fpsの高フレームレート動画、約3万点の顔特徴点追跡、約240TBに及ぶ動画データを活用し、人の表情を高精度に定量化する顔解析技術の開発を進めてきました。
本研究では、こうしたオルチェの既存技術を活用し、ポーラ化成工業株式会社と国立長寿研が取得したデータをベースとして、表情データ取得システムの構築、表情特徴量の開発・解析に協力しました。
研究の意義
本研究は、表情を単なるコミュニケーション手段としてではなく、人の身体状態・認知機能・心理状態を反映する指標として活用できる可能性を示すものです。
従来、身体機能・認知機能・心理状態など多面的なフレイルの評価には、多くの質問項目や検査が必要でしたが、表情を活用することで、より簡便かつ非侵襲的な評価につながる可能性があります。
また本研究は、表情解析技術を健康・ヘルスケア領域へ応用する取り組みの一例であり、顔画像から人の状態を理解する研究の発展に寄与することが期待されます。
学会開催概要
【学会名】
第68回日本老年医学会学術集会
【会期】
2026年6月11日(木)~6月13日(土)
【会場】
神戸国際会議場
【発表形式】
口頭発表(3演題)
- 地域在住高齢者における表情表出と身体的フレイルの関連
- 地域在住高齢者における認知機能と表情表出の関連
- 地域在住高齢者における表情表出変化とうつ傾向の関連