株式会社オルチェ人間情報技研は、香りと音楽によって生じる「活力感」の変化を、表情・視線・身体動作・姿勢などの客観指標から捉える研究を実施し、その成果を第28回日本感性工学会大会にて発表しました。
「元気になった」「落ち着いた」といった感性的な変化を主観評価だけに頼らず、身体に現れる変化から定量的に捉えることを目指した研究です。
研究概要
健常成人10名を対象に、「香り・音楽なし」「ローズマリー精油+本人が選んだ気分が上がる曲」「ラベンダー精油+本人が選んだリラックスできる曲」の3条件を設定し、刺激前後の変化を比較しました。
主観的な活力感に加えて、60fpsの表情・視線動画、100Hzの床反力・腰部IMUを同期計測し、顔や眼の動き、身体動作、重心動揺などを解析しました。
その結果、活性条件では活力感・覚醒感の上昇とともに、スクワットが速く力強くなり、刺激中には視線や顔の動きが活発になる傾向が確認されました。一方、鎮静条件では、長時間スケールでの重心のドリフトが小さくなり、姿勢制御がより安定する傾向が確認されました。
さらに、主観的な活力感の変化と、まばたき、顔の動き、視線などの客観指標にも被験者内で関連が認められました。
「感じた変化」を、身体に現れる変化から捉える
本研究の特徴は、表情だけ、身体だけといった単一の指標ではなく、表情・視線・床反力・IMU・主観評価を同期して取得し、それぞれに現れる変化を統合的に捉えたことです。
活力感の高まりは動作の速さや力強さ、眼・顔の活動に、鎮静感は姿勢制御の安定性に現れるなど、感性的な状態によって変化が現れる指標が異なる可能性が示されました。これは、表情・視線や床反力など、身体的負担の少ない計測から「活力感」のような感性的な状態を客観的に捉えられる可能性を示しています。
オルチェでは今後も、香り、音、飲食、製品使用などによって生じる感覚や感情の変化を、主観評価と複数の客観指標を組み合わせて定量化する研究を進めてまいります。
学会発表概要
【演題】
香り・音楽刺激による活力感変化の表情動画および床反力解析
【発表者】
〇上田 純也、関谷 依里、山下 玲子、佐藤 貴樹
(株式会社オルチェ人間情報技研)
【大会名】
第28回日本感性工学会大会
【会期】
2026年9月16日(水)~18日(金)
【会場】
タワーホール船堀(東京都江戸川区)